どっちつかずな私4
「そうなのよネ」
「そうそう」
お互いに同じ立場だったから、分かりあっちゃったんです。
そうこうするうちに二人で心の痛みを分かちあうようになっていったの。
あたしはふと、もし相手が利彦ではなく、内田クンだったら、両親は反対しないだろうなという気がした。
内田クンも相手があたしだったら、両親はすんなり結婚させてくれるだろうなと考えていたんですって。
その後も親と確執の日々よ。
こんなうっとうしい毎日が続くんだったら、利彦のこと諦めたほうがいいのかな、そのほうが親孝行かな……なんて、弱気になったりして。
これも目の前に内田クンが現れたからよね、きっと。
内田クンに体を求められたこともあったけど、「結婚までは……」と、彼を傷つけないように、やんわりと断りました。
彼も分かってくれたわ。
「来春、ヨーロッパに留学する予定なんだ。
そのときは君もついてきてほしい」六月のある夜、内田クンと映画を見に行った帰りの道すがら、言われたんです。
「ついてはいきたいけど……、あたしは利彦と別れ切れていない」
その夜、ニューヨークの利彦に電話をかけた。
「親が強力に反対してるので、あなたとの結婚は無理かもしれないわ」
国際電話をしかも発信なので、お金がかかっちゃうけど、仕方がないよね。